第32回【強度行動障害のある方の居宅支援と行動援護記録について】
第33回KYOUKOU勉強会【重い知的障害のある人の虐待と権利擁護について】
ながら、昨年の令和3年10月25日開催 第32回KYOUKOU勉強会【強度行動障害のある方の居宅支援と行動援護記録】と、先日2月21日開催 第33回KYOUKOU勉強会【重い知的障害のある人の虐待と権利擁護について】ご報告させていただきます。
以前はリアル開催で交流をメインに行ってきたKYOUKOU勉強会ですが、コロナ感染拡大以降はオンラインまたはハイブリッド開催を行っています。今回はオミクロン株の急拡大により、完全オンラインでの開催となりました。第32回、第33回とも、20名以上の方に参加いただきました。平日の夜、お忙しい中ありがとうございました。
第32回【強度行動障害のある方の居宅支援と行動援護記録】 株式会社きらきら 訪問介護部門 郡 博紀 氏 |
株式会社きらきら 訪問介護部門 郡 博紀 さんに、居宅介護の現場での実践を基にどのような視点で支援を行っているか、また、ご本人により良い支援を提供するための記録の必要性や家庭でも取り入れやすい記録方法等についてお話しいただきました。
強度行動障がいの方の行動は問題行動と捉えられがちですが、問題行動ではなく、行動の背景にある環境等を問題として捉える視点として捉える、という視点を学びました。
また、チーム支援の重要性についてもお話しされました。関わりが難しいからこそ、支援者間、または、ご本人をとりまく家族や支援者が記録により情報を共有し、フォローしあいながら一緒に考え関わっていくことの大切さも改めて感じました。
郡さんの『一人のスペシャリストより、100人の一歩』
という言葉がとても印象的でした。
記録は今だけのものでなく、‶将来へつなぐもの″というお話しもありました。記録は、ご本人をとりまく人や、今と未来を‶つなぐ″もので、つながった先に、ご本人や家族、そして関わる支援者にとっても、明るい未来につながっていくという希望も感じることができる学びの時間でした。
第33回【重い知的障害のある人の虐待と権利擁護について】 合同会社サンクスシェア、SNAプロジェクト代表 田中 聡 ①虐待とは何か? ②なぜ虐待がおこるのか? ③虐待を防止するには? |
強度行動障がいの対象者は、言語でのコミュニケーションをとることが難しく、障害特性から、様々な特異な感覚や行動パターンなどにより関わりが難しい場合が多くあります。そのために、虐待の対象になりやすく、また、当事者の意思を十分に汲み取れずに権利が侵害されている可能性は十分に考えられます。
障害者福祉の現場でも令和4年から虐待に関する研修の実施や虐待防止委員会の設置、虐待防止等のための責任者の設置が義務化されます。巷では虐待のニュースが途切れることがありません。これまでも虐待に関しては取り組みが行われていますが、なぜ、無くならないのでしょう?
虐待について肯定する人はいないと思いますが、これまでの日常での当事者との関わりを振り返ると、「これは虐待になるかもしれない」と今回の講話を聞きながらドキッとした部分がいくつもありました。虐待かそうでないかのラインは、それだけ曖昧で判断が難しいものです。
当事者の命を守るためにとっさにやむを得ずに支援者がとった行動が、たまたま居合わせたよく知らない第三者から虐待と捉えられることもなきにしもあらずです。そんな時に、支援者の立場として、また、保護者の立場としてどのような意識で対応するのか、また、意思が明確に読み取ることが難しい当事者の意思をそのように読み取れば良いのか、参加者の間で意見が交わされました。
・職場内、または、関わる人同士が風通しの良い環境を作ることや、いい意味でフォローをしあえる関係づくりが必要。
・ご本人の本当の意思に近づけるように当事者と関わり続けることと、関わる人同士で情報を共有しながら、ご本人のことを、より、『知る』努力を続けること。
という意見が出されました。
虐待を予防するための重要なキーワードとして、『意思決定支援』という言葉が出されましたが、『意思決定』に至るまでの当事者の成功体験や様々な経験活動の積み重ねが大切で、周囲はご本人が生き生きとされることを大切に汲み取っていくことが大切ではないか、という貴重なご意見もいただきました。
KYOUKOU勉強会は、保護者、支援者、その他関心のある方誰でもが、フラットに意見を交わしあうことを大事に開催してきました。コロナが蔓延する以前のように、勉強会の後に居酒屋で一杯やりながら参加者のみなさまと時間を忘れて熱く語り合いたいものです。
交流によりできる‶つながり″が虐待を予防するものになりそうです。
ご参加いただいた皆様の感想はコチラです。
皆様、長文で心に残る感想をたくさん書いて頂きました。ここでは抜粋し、まとめて記載しています。
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皆様の感想
今回の内容は、SNAプロジェクト会員様には後日ご視聴いただけるようにしています。
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次回第34回KYOUHOU勉強会は4月に予定しています。
またのご参加をよろしくお願いいたします。