サンクスシェアでは毎月全員で計画案を作成するにあたり、
自分の担当している方の計画で悩んでいたり、自分はこう思うけれど
本当にこの方向性で良いのだろうか?等をみんなの考えを聞き参考にする
案会議を行っています。
今回、高次脳機能障がいの方への支援についてみんなの意見や考えを
聞かせて頂こうと思ったのですが、高次脳機能障がいって?
聞いたことはある。なんとなく知っている。
どんな支援をしたら良いかと聞かれても知識が少ないと良い支援には
繋げられないのではないか。・・・という事になりまして
あいあいセンターの出前講座、「高次脳機能障がいについて」を依頼し
サンクスシェア全員で参加させていただきました。
その講座で学んだことを少しですが、紹介させていただきます。
高次脳機能障がいとは脳損傷(交通事故や脳梗塞等)で突然起こる
認知機能の障がいで目に見えず
少し話をするくらいでは気付くことが難しい、分かりづらい障がいです。
年齢や原因によって使える福祉サービスが違ったり、
障がい年金をもらえる条件等、私たち相談支援専門員が知らないと
きちんと説明が出来ない事がありました。
高次脳機能障がいの症状で短期記憶が難しいこと(発症前のことは覚えていることが多い)は知っていました。
ですから、メモを取り、とったメモを振り返る事を伝えてきました。
しかし、メモを色んな所にとってしまう人、とったメモをしまい込んでしまう人
誰でもメモが出来る訳ではない事を知りました。
そしてそれを注意する事で、出来事は覚えていなくても嫌な思いをした感情だけは残ってしまう事を知りました。
メモの取り方も人によって向き不向きがあり、スケジュール帳を活用出来る人、携帯のリマインダーを使用する人、誰もが見える位置にカレンダーを置きそこに記入する人等その人に合わせたメモの取り方を見つける事の大切さを学びました。
その必要な動作を毎日行う事(食事、歯磨き、寝る前等)の前後にくっつけて習慣化する事(メモの振り返り、次の日の予定確認等)が重要です。
本人は気を付けていても、自分で間違いに気づけない事が多い為「気を付けて」と言っても
改善は出来ないことが多々あります。
言っても改善できないのが障がいと言われ、関わる時に知らず知らず本人を
傷つけていたと反省しました。
今回の出前講座では高次脳機能障がいについて知り、対応の仕方を学んだ事で
私たちの対応の仕方ももちろんですが、各事業所での対応についても
伝えていくことが出来ると感じました。
講義に参加した全員の感想を一部紹介したいと思います。
・高次脳機能障害について詳しい知識がなかったのですが、何が原因で障害が起こり、どのような障がいが起こるのかをわかりやすくご説明いただき、大変勉強になりました。
・「できることを伸ばし」、支援が必要なところをアセスメントを細かく行うことでご本人の生活を効果的に支えることができるのだと理解しました。
また、障がいの受容について、ご本人は「理解していてもできないことがある」という現実に直面しながらいかに乗り越えていくか、その心情にも配慮が必要なのだと感じました。
・次脳機能障がいの症状に対し、「適切な支援」を工夫することはもちろん、これに、「継続的な支援」をセットにすることが大変重要であることについて、高次脳機能障がいだけでなく、発達障がい、強度行動障がいなどについても同様のことが言えるのではないかとも気づかされたのでした。
・支援側が多くの手法があることを理解して、その方のために何が使えるか、検討していくことが基本であることを忘れてはいけないと思います
・支援を必要とされる方の背景は、強度行動障害・精神疾患・身体疾患など多様であり、個々に合わせた支援という面では、すべての方に共通する部分であり、バイスティックの原則(個別化)など、改めて個々人に合わせた支援が必要であることを実感しました。
・目に見えない本人の特性や不安、困り感等について本人に寄り添いながら知るためには、障がい特性を支援者がしっかりと理解することの重要性です。そのためには、アセスメントやモニタリングをより丁寧に行いたいと改めて考えました。
他にもたくさんの感想がありました。
この感想を持ち、講師の方へお礼に行った際
講師より
「相談支援専門員への講義をしたことがなく具体的な症状等は省き制度等を中心にしようと
思っていましたが、事前の質問が症状に関しての内容も含まれていたので資料を作りなおさせて頂きました。
貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。」
とお言葉を頂きました。
制度も大切で相談支援専門員として必要な事だと思います。
具体的な症状や対応策を知っていればその方との関わり方も変わってきますし
事業所へも伝えられることがあり、直接支援にも役立てる事もあると思います。
その方を支援するすべての支援者が知識を共有出来ればより良い支援が出来るように
なるのではないかと感じました。