相談員のひとりごと(ホームヘルパー編 2)
相談支援事業所 サンクスシェア
松本 浩治
今回は、ホームヘルパーの提供するサービスの3本柱について触れたいと思います。
初任者研修(ホームヘルパー2級)や実務者研修(ホームヘルパー1級)の研修過程で出てくることが多いのですが、実際に事業所でヘルパーさんに聞いてみると3つ出てこないものなんですね。普段、意識していなくとも提供しているサービスなのですけれども。
一つ言えば二つ目は確実に出てきます。まずは一つ目。
家事援助(生活援助)
障がい福祉サービスでは家事援助、介護保険サービスでは生活援助と称されます。ヘルパーさんを象徴するサービスですね。掃除、調理、買い物、etc・・・。
日常生活において身体状況等によりご本人で家事を行うことが困難となり、在宅生活が困難になることから家事の一部の代行や補助を行ってもらえるサービス。
その性質から行えること、行えないことの線引きが難しいサービスでもあります。この辺はまた後日触れましょう。では、二つ目。
身体介護
これも皆さんご存じですね。排泄介助、入浴介助、移動・移乗介助、etc・・・。
健康、生命活動を維持するために必要であるが、身体状況により本人では困難となった動作へ介助を受けることができるサービス。排泄や入浴の介助を受けることにより、ご本人の健康、生命の維持を図るとともに介護者(家族等)の介護負担を軽減するための物でもあります。では、三つ目は・・・?
相談、助言
はい、これが三つ目のサービスです。日常生活においての困りごとや不安について傾聴を行い、利用者さんの不安の解消、困りごとの解決を図るものです。この傾聴という言葉はホームヘルパーの研修では毎回のように出てきます。
ホームヘルパーは定期的に短い周期で利用者さんを訪問するため、日常生活の変化に気付きやすい立ち位置にいます。利用者さんと打ち解けるのも一番早いでしょう。会話の中で利用者さんの悩みや困りごとを相談されることも多いのではないでしょうか。また、利用者さんの元気がなかったり、部屋の物が壊れている、無くなっている等、変化に気付くことも多いと思います。
そうした変化に対して寄り添い、解決を図ることも大切な役目の一つなのです。これは、ホームヘルパー自身で解決する、ということではありません。あくまでも、傾聴を行うことで利用者さんの変化をいち早く察知して報告を行うことが重要となります。報告を行い、上司やケアマネージャー、連携機関と共有した上で解決方法を考えていくこととなります。
このことから傾聴を行うことが重要といわれる所以です。聞くのではなく聴く。耳に音が入ってくる聞くではなく、意識して耳を傾け、その言葉や表情から相手の心の内を想像し、相手の言いたいことを心を傾けて聴くことが聴くということです。
私はこの相談・助言のサービスこそがホームヘルパーの一番重要なサービスであると考えています。丁寧に傾聴を行い、利用者さんの気持ち、心に寄り添うことで利用者さんも安心して在宅生活を送ることができるでしょう。
次回は家事援助(生活援助)について掘り下げたいと思います!
福岡市東区で障がい福祉サービスに携わる人を育てる会社
合同会社サンクスシェア 2016年4月4日 創立