放課後等デイサービススタッフ研修
月に2回、定期的に訪問している放課後等デイサービス事業所さん。
H28年からの訪問開始なので、スタッフさんの研修にはどっぷり関わってきています。
昨日の研修タイトルは、「集団活動・行事の企画・実行の実際」。
私の研修は、学校の教員だったことが大きく影響し、『ザ、教育系』!
なにかをする際の企画の仕方、実際の現場でのかかわり方、それ以降の改善の方向性などの協議・提案が主な内容なのです。
手前みそではありますが、この日もほんとうによい研修になったなあと自画自賛(^-^;
でも、それは、スタッフさんたちの前向きな研修姿勢によって支えられているんです!
内容は、事前にお伝えしていたので、近々実施する活動企画のたたき台(案)を準備ができていました。写真の通り、かなりの作り込み準備であり、本当に頭が下がる思いでいっぱいでした。
研修では、
- 「活動(体験活動)とは何か?」
- 「企画(計画)とは何か?」
- 「目的をどう設定するのか?」
- 「目標達成か否かをどう評価するのか?」
のポイントについて、全体像を概観した後、事前に準備されていた企画案を全員で検討・吟味しました。
すごく乱暴に言ってしまえば、事業所で実施する活動や体験なんて中身はなんでもいいんです!要は、何を目的にそれをやるのか?が最も重要なんです。
目的がない、もしくはあいまいで、子どもたちが「あ~、楽しかった…」だけで終わるような企画は、一日に1人当たり8,000円も料金をとっているサービス店舗がやることではありません。(子どもたちの楽しささえ味わわせることができていない事業所なんて論外です!)家族で、もしくは友だちとどこかへ出かけて楽しかった体験と変わらないのであれば、わざわざ放課後等デイサービスと言うサービスを利用する必要なんかないからです。
子どもたちに、この活動・企画・プロジェクトで何を育て、何ができるようになるかを明確にもった活動を設定できれば、あとは、中身は何だっていいんです。その目的にぴったり当てはまるものがあれば持ってくるも良し、ぴったりあてはまるように活動を構成するのも良し、配慮点で目的を達成しようとするのも良し、なんだっていいんです(^^)/
目的が明確になっていさえいれば、内容も方法も苦労なく決めることができます。
ただ、目的とセットで重要視しなければならないのが評価です。きれいな、素敵なことばを集めて目的が設定されたとしても、企画実施後にその目的が達成されたのかどうかを検証さえしないのでは意味がありません。
どのような姿になればその目的を達成したと言えるのか?
それをどのようにして判断するのか?
という視点と内容を明確にしておいて初めて、その目標に存在意味が生まれます。
今回の研修では、前半でその重要性を強調して提案し、後半では、それを意識しながらみなさんで検討し合ったことにより、おそらく企画そのものの重要性と意味、そして大切にすべき視点が伝わったのではないかと思っています。
あるリーダー役のスタッフさんが、11月に予定するハローウィン行事の説明をされたとき、次のように話されました。
春の行事では、「自分自身を大切にする」視点を重視して行事を企画しました。そして、夏には、「まわりの友だちと一緒にやる」視点を重視してきたので、今回の秋は、「相手と自分との関係に意識を向ける」視点を重視して企画をしたい。のだと。
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このように年間の視点をもって行事・活動を考えている放課後等デイサービス事業所は、極めてレアケースです。
しかし、学校は、ちゃんと年間構想をしっかりと立てて、系統的に学びを繋いでいます。(できているかどうかは別ですが…(^-^;)
放課後等デイサービスという事業は、学校よりも長い長いスパンで子どもたちに関わります。(最長小中高の12年間。もし児童発達支援サービスを併設している場合はさらに長くなります!)退職しなければ、12年間の成長を見続けるスタッフがいることになります。
このようなことを考えると放課後等デイサービスが、年間のスパンで療育活動を企画することはもちろん、さらに長いスパンで事業構想をすることは、放課後等デイサービスという事業そのもののの強みでもあり、ある意味、役割・使命でもあると思います。
私自身、このような視点をもって子どもたちの成長に関わる事業所やスタッフさんがより増えていくよう、研修講師として、今後も精進していきたいと強く心に誓った1日でした(^^)/
福岡市東区で障がい福祉サービスに携わる人を育てる会社
合同会社サンクスシェア 2016年4月4日 創立