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スーパーバイズH31.3.5

計画相談室ノーマによる相談支援コンサルティング【報告】
相談支援専門員 田中 聡(第2回)

 およそ1カ月ぶりにおじゃましたノーマさん。
 福岡市のモデル事業である強度行動障がい者が入居するグループホーム「か~む」での夜勤明けだったため、ちょいと遅れて到着。

 10時半の担当者会議の出発まで、追っかけする寺川さんと少しお話。

 つい最近寺川さんが設立された一般社団法人。
福岡・筑紫地区地域福祉支援協会 Facebook
 この協会は、現場で働く支援者が、支援力を身に付け、運営力を向上し、相談者に対してよりよいサービス提供を進めていくことを目的として設立されたできたてほやほやの協会。

 日々相談支援の業務に追い立てられながらアップアップしている毎日の中、このような話にとてもわくわくさせていただいた。
 

 普段、私は仕事に向かう姿勢として、左図のような4象限を意識している。

 左上段の「急ぐ・重要」については、とにかく迅速に業務を遂行することを最優先とする。一方、右下段の「急がない・重要ではない」業務については、重要度の基準をしっかり決めておき、間違ってもここに無駄な時間や労力を費やすことがないように留意する。

 ここで、私が最も重要視しているのは、「急がない・重要」の業務である。「急ぐ・重要」の業務と同時進行しながら、常に先の見通しをもち、やがて最重要となることを想定・予想した上で、早目早目の段階から、着々と準備を進めておくことにより、左上段の「急ぐ・重要」業務がもりだくさんになりすぎず、余裕をもって対処していくことができるようになると思っている。このように、「急がない・重要」の業務を意識して重視することこそが、事業所や法人の運命を決める重要なキーポイントだと言うことができるだろう。

 このようなことからも、相談業務だけに追われるのではなく、先々の事業展開を考えた話をすることにこの上ないわくわく感を感じたひと時であった。話の中で、協会として「児童育成部門」及び「相談支援専門員もしくは相談支援事業所の活用マニュアル作成プロジェクト」の始動が確認された!大変楽しみである。

 さて、そうこうしているうちに、出発の時刻。
 この日の担当者会議の課題は、次の通りであった。
 

 4月から高校2年生になる本人の進路とそれをサポートする母の支援
 

 参加者は、中学生の息子(弟)さんがいるお母さまと、月に数回程度利用している放課後等デイサービス事業所の児童発達支援管理責任者さん、寺川さんの3人だった。

 まずは、本人の日々の生活を確認する中で、自力移動が活発で、自転車に乗って一人で広範囲な場所にでかけることができるよさがある一方、自閉症である本人がみせるさまざまなこだわりが、地域社会及び地域住民の目にどのように映るのかが話題となった。

 このことは、重度ではない、発達障がいの子どもにとって、行動範囲が広がることによる「成長」と地域社会における迷惑行動を起こすかもしれない「リスク」との背中合わせに苦しむ大きな課題である。軽度発達障がい者にとって、地域社会とのつながりをつくる上でほんとうに悩ましい・・・

 本人には迷惑をかけるなどの意図的悪意は全くなく、ごくごく普通にふるまっていても、社会から見ると奇異な行動であったり、結果的に迷惑行動とみられてしまったりと問題視される可能性がある。

 今回の事例では、この問題の重要性について、母の課題認識が薄く、どう理解してもらうかが最大の山場であった。
 今回、母はなかなか手ごわかった(^-^;
 寺川さんから、本人が、場合によっては警察沙汰になる可能性もあることなど、さまざまなリスクがあることを一生懸命母に伝えるも、「寺川さんは、不安を煽る」と受け容れがいまひとつの状況・・・ 
 しかし、寺川さんは、なんどもなんども丁寧に説明し、失敗してもフォローができる体験空間である放課後等デイサービスの存在意義を切々と説き、相談支援専門員としての役割である「進路選択のための適切なアドバイス」を徹底していた!

 そして、最終的にお母様から引き出した言葉が以下の通りであった。
 

 寺川さんは、いろいろ話しているうちに掘り起こしてくれる。
寺川さんと話すといろいろ考えさせられる。
 

 決して勝ち負けではないものの、寺川さんのほうに軍配が上がった(^^)
 

【まとめ】
 こう考えると、私たち相談支援専門員は、相談者の将来像を見立て、福祉サービス利用を含めた本人の計画(プラン)の意味、よさ、必要性について、本人への具体的アプローチはもちろん、母の指導も含めた家族支援によってねらいを実現していく大切な存在であることを改めて認識した。
 あれやこれやと指摘したり、提案したりするのは、本人の将来を願っての親身になった「熱さ」である。ここを力説し、本人及び家族から納得をえることができなければ、相談員としての存在意義はないとも思えた。

 いやいや今回も相談員としての、内容、立ち振る舞い、説得のための知識と経験、いずれも今後の自らの相談支援への大変大きな学びとなった。重ねて感謝感謝です(^^)/
 

 訪問を終えて、ちょうど昼食の時間を迎えたので、近くのから揚げ屋さんで、人気No1の弁当を購入!
 さあ、ふたを開けて、揚げたての唐揚げをほおばろうとしたその時、相談支援の電話が鳴った。

 支援が難しい精神障がい者の新規計画相談の依頼の電話だった・・・

 話が長くなり、15分後くらいに、再度弁当に向かったが、揚げたて唐揚げは、もう「しなしな」状態に・・・( ノД`)シクシク…
 
福岡市東区で障がい福祉サービスに携わる人を育てる会社
 合同会社サンクスシェア 2016年4月4日 創立