『相談支援として知っておきたい連携先社会資源シリーズ』
1 タイトル 高次脳機能障がいがある方の就労支援について
2 日時 R5.5.29 9時30分~11時00分
3 場所 相談支援事業所サンクスシェア(サンクスシェア10名 Zoom参加1名)
4 スピーカー 特定非営利活動法人 クロスジョブ 萩原 敦さん
5 内容
クロスジョブ萩原さんのお話は、大変学び多きものでした。
作業療法士の資格をお持ちである専門家の立場から、高次脳機能障がいの理論背景はもとより実際の支援の現場の様子まで、幅広くそしてていねいに、とてもわかりやすくお話しくださいました。
前半の、高次脳機能障がいの理論的な部分では、脳の機能の解説から症状が起こしている機能の不具合まで、おおよそ障がいの全体を網羅することができました。
さて、中途障害により、今までできていたことがある日突然できなくなってしまうことに向き合う支援ってとても難易度の高いものだと改めて感じたところでしたが、萩原さんのお話の中で、しごく当たり前のことだけれども、とても重要なポイントだと気づきを与えてくださったことがあります。
それは、まず、障がいを受けたこと、生活のしづらさについて、「おつかれさまでした。」「たいへんでしたね。」とねぎらいのことばをかけること。多くのできなくなったことを回復するリハビリに取り組む必要性が強くありますが、そこを強調するだけでは、当事者はモチベーションが生まれるはずもありません。まずは、本人と関係性をつくっていくという当たり前の心構えについて、高次脳機能障がいの方にとどまらず、すべての対象者への関わり方について改めて見直す貴重な機会となったのでした。
後半は、クロスジョブさんの支援の実際について、具体的な事例も紹介していただきながら説明をお聞きしました。
事業での活動スケジュールや事業所の特徴、丁寧な面談対応など充実した支援の状況がひしひしと伝わってきました。
【最後に】
ご説明を聞いた後、もう少しお話しいただきたい部分や関連する疑問点等について質疑応答の時間をもうけていただきました。(詳しくは動画の内容を参照ください。)
萩原さんは、改めておっしゃいました。
仮に、利用がクロスジョブさんへつながらなくても、クロスジョブさんの利用者じゃなくても、高次脳機能障がいに関する対象者の相談や高次脳機能障がいに関する質問疑問については、遠慮なく相談してかまわないと。
私たち相談支援事業所は、すべての相談内容に決して精通しているわけではありません。
いかに、必要な社会資源機関とつながりをつくるかが相談者の利益に直結すると思います。そのような意味で、今回のクロスジョブさんとのつながりは大変貴重な連携の機会に恵まれたと思っています。
※ 次の回の相談支援勉強会の予定は、7月に「東部療育センター」をお迎えし、未就学児童の療育相談機関との連携について学びます。詳細の発信をもうしばらくお待ちください。