サンクスシェア 田中 聡
2日間に渡ってのズームによる研修。100名ほどの参加であったろう。
そこそこの研修参加費であったにもかかわらず、これだけの参加があることを考えると、いかに社内における人材育成への関心度が高く、同時にマネジメントに携わる人が悩んでいるかがうかがえる。
かく言う私もその一人である。
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私は、社内の人材をマネジメントする上でも、業務である相談支援の対応の上でも、主に上記の3つのスキルが必要だと常々思っている。
コーチングについては、以前から興味もあり、いくつかの書籍にも触れたことがある。
なかなか対面で相手から学ぶ場面そのものがなくなって、こちら側が相手を導いていく立場になることが圧倒的に多くなったこの年齢からすると、コーチングというスキルが必須のものとなりつつある。
セミナーという形で学んだことがまだなかったため、今回は、大変貴重な機会となった。
大きなポイントとしては、以下のことが整理された。
① 『自己理解』と『相手との信頼関係づくり』の2つが前提条件であること。
② 『聴く』 『承認する』 『質問する』具体的なスキルを身につけること。
③ 『現状分析』→『目標の明確化』→『行動プランの決定・合意』→『フォロー』の流れで進めること。
頭ではなんとなくわかってはいても、実際相手が目の前にいる生の場面では、時間をかけて、冷静な気持で考える余裕がない。つい、相手を追及したり、こちらの価値観をただ押し付けたりしていることがいかに多いか、たくさんの演習の中で気づき反省しきりであった(^-^;
どうも振り返ってみると、私自身、③のコーチングの基本の流れの中の、『現状分析』がない、もしくは薄いことが多いと気づかされた。なんらかの指導・指摘・助言をする際に、そもそもその状況がどのようにして起きたのか?、現在どのような状況なのか?、そしてそれはどんな理由から起きたのか?について、正確に知ろうとしていなかったということが多々起きていたことに思い当たったのである。現状を正確に把握すること、その状況が発生した原因を特定しないことには、改善の方策も考えられない。大きな大きな反省である。
思えば、社内の人材育成においても、相談支援における、相談者への基本相談にしても、このコーチングにおける現状の把握・分析が、問題の解決・改善を導くにあたって大きな影響力を持っているように感じる。逆から見れば、どのようにして起きたのか?どのような状況なのか?を丁寧に、正確に聞き取ることを対話していれば、おのずと問題・課題の整理が進み、そして、改善案も同時に気づくことができるのではないだろうか?
社員育成を目的としたコーチングの研修ではあったが、本業務である相談支援における普段からの電話対応や面談、会議の司会進行等の質を向上せるためにも、大変大変大きな学びとなったことについて、改めて機会を提供いただいた福岡県社会福祉協議会と講師の今村さんに感謝したい。