KYOUKOU28回 報告
1 日時:令和2年8月31日(月) 19時~21時
2 場所:おおほり苑(福岡市中央区鳥飼2丁目4−16)
3 内容:おおほり苑の強度行動障がい者支援の紹介&施設内見学
4 参加者:会場参加( 18 )名 Zoom参加:( 18 )名
満を持して登場いただいたおおほり苑の増山苑長さん。
思い起こせば半年前、2月に日程も決まった状態でお願いしていたが、感染症の影響で無期限延期となっていたこの勉強会。まだまだ感染症対策が厳しい中、会場での参加とZoomでの参加の実現にご協力いただいたことにただただ感謝。
会場に着くと、すでに、会場の座席配置から資料の配付、説明用のプレゼン投影セッティングなど、なにからなにまですべて終わった状態に再び感謝。
開会のあいさつもそこそこに、早速、増山さんから、おおほり苑の支援の実際についてお話をいただいた。
20年の歴史を持つおおほり苑のご実践には、なにもかもが刺激的だった。
増山苑長は、これまでの歩みや支援の実際について、流ちょうなしゃべりでお話いただいたが、いやいや、ともすれば聞き逃しそうになる話の内容をじっくり頭の中で振り返れば、ほんとうにすごいことがさらっと語られている。
24時間の支援の視点を持つ |
数名の利用者さんについて、強度行動障がいの状況や支援の経過をたくさんお話しいただいたが、上記のフレーズにすべてが集約されていると感じた。
20年の支援実績があるおおほり苑でさえ、自閉症を伴う強度行動障がい者の行動問題を右から左に解決・改善することは大変難しいと思う。実際、お話の中にも、一旦行動問題が改善しても、別の環境に触れたとたん、もとに戻ったり悪化したり、あるいは、数年落ち着いた状態にあったご本人が突然元の不安定な状態に戻ったり・・・
しかし、増山さん率いるおおほり苑は、上記の視点をもって支援にあたっている。言葉では、「それはすばらしい!」と思うが、実際に「やる!」となると、尻込みしそうな自分がいた・・・
数年にわたって自宅や仮住まいの部屋、短期入所先等に職員が泊まり込みで・・・なんて対応はどこでも、だれでもできるわけではない。
しかし、私たちは、『できない』『無理だ』と決めつけて、やらないことを選択してしまってはいはしないか?『なんとかしてできないか?』『できる方法はないのか?』を目指して精いっぱい選択肢をつぶしたか?やはり、根本に立ち返って自らを問い直さなければならないと肝に銘じた。
※ 今回の勉強会は、Zoomで録画しています!ご希望の方は、メッセージをお願いします。視聴URLをお届けいたします(#^^#) |
おおほり苑での強度行動障がい支援の実際の話をお聞きした後、館内をくまなく案内いただいた。
前半のお話にでてきた個別の計画やプログラム、これらの支援に対する記録の数々が、ていねいに準備されていることが手に取るようにわかった。はじめてこ訪れた場所でも、利用者の一人ひとりを知らなくても、作業台に座った本人が、何をすればいいのかが私にもわかった!多くのことに高い不安を抱える強度行動障がいの彼らにとって、きっと、安心して作業に向かうことができるのだと思った。
と同時に、
『ここまでの準備をどの時間にやっているのか?』
『この個別対応にかかわる支援員のシフトをどのように調整しているのか?』
『職員さんの意思統一、支援の方向性の共有をどのように実践しているのか?』
などなどあふれ出る疑問に押し流されそうになっていた。
この施設内見学の場においても、『どのようにしたらできるのか?』を重要視して支援に取り組まれているこのスタンスに、改めて頭が下がる思いでいっぱいだった。
今回のKYOUKOU勉強会は、内容としてかなり高く、専門的であったと思う。長年の支援の積み重ねによる苦労や工夫、成果などについて、何度も何度も試行錯誤を繰り返し、整理を重ねてきた実践理論は、そう簡単に「わかりました!」と言える代物ではない。
しかし、このような、行動問題に苦しむ障がい者がいること、そして、この対応の難しい彼らに、
『本気で』 |
一人ひとりと向き合う事業所や支援者が存在することを、ひとりでも多くの人に「伝える」「知ってもらう」ことをこの勉強会で続けて取り組んでいこうと決意を新たにした!!!
おおほり苑のみなさま、そして、会場のご準備と取り組みのノウハウなどを提供してくださった増山さん、ほんとうにありがとうございました。
最後に、運営についての振り返りを少し。
感染症の影響を受け、半年間ストップしていた勉強会も、前回の27回(永川さんの子育て紹介)と今回の実施で、今後も継続していける一定の形が見えた!
Zoom対応
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1台のパソコンにWebカメラを装着し、Zoom参加者の会場参加感を少しでも味わってもらうために会場を映しつつZoom参加者の入室管理を行い、1台のスマートフォンに短い三脚を装着し、話をしてくださる方を固定撮影する。 |
会場対応 | ウイルスを持ち込まないための消毒対応に加え、ソーシャルディスタンスを保つために、会場に見合った人数制限を適切に行う。 |
反省点、課題は次の通り。
・ 会場で配布いただいたプレゼン資料を事前に入手し、Zoom参加者へ資料共有ができていなかったこと。(カメラでスクリーンを映した苦肉の策で大変見づらかったこととお詫びします)
・ 会場参加、Zoom参加ともに、質疑応答の時間がほとんど持てなかったこと。(あらかじめ時間設定をもう少し詳細に事前打ち合わせしておかねばなりませんでした。)
・ 施設内見学をスマートフォン撮影で対応するのはよかったが、カメラマンの質の問題で、画像がブレブレだったり、遠くて見づらかったり、途中でWi-Fiが途切れたりしてお見苦しい点があったこと。
・ Zoom参加者へのチャット機能を活用して、当日のスケジュール確認や意見集約など、適切なご案内がほぼできていなかったこと。
・ Zoomで参加くださった方と会場で参加くださった方同士、及びZoom参加者同士、の交流の場をもつことができなかったこと。今後、Zoomでの参加の割合が高まることが想像されることから、会場参加者への配慮に加えて、遠方にもかかわらずわざわざ時間を割いて参加くださったZoom参加者のみなさんにも、会場参加と変わらぬ臨場感や参加メリット感をもってもらえる工夫や努力をしていきます!
次回は、9月13日(日) 10時~12時(もうすぐ!) 国立病院機構 肥前精神医療センター 會田 千重Dr.に「強度行動障がいの理解・治療・支援と今後」と題して講演いただきます!まだまだ、会場参加、Zoom参加ともに募集中です! この機会をお見逃しなく、ぜひ、ご都合の調整をお願いします(^^)/ お申し込みはこちら 👉 サンクスシェアイベント案内 |