2月は「担当者会議」をテーマにして勉強会を行いました。
今回は「利用計画に変更がなく、生活も安定している状況」想定して担当者会議のロールプレイを行い、そこに意見を出してもらう形で進行しました。
ロールプレイの担当者会議では、「利用計画の確認」となってしまっており、特に新たな意見もなく、あっさりと終ってしまう内容でした。
「大きな問題がない」のであれば、話し合う議題はないのか?
・できるようになったことへの評価はどうか?
・特に問題がないということは、次のステージを検討することができるのではないか?
・本人の環境や、内面的な状況等、変わったことは?
「問題がない」ということは、目標や課題となっていたことが解決できたということなのか、それとも解決はできていないが、現状維持なのか、で議論する内容も変わりそうです。「トラブルがなかった」から問題がない、ということにはならないでしょう。
目標や課題がクリアできているのであれば、その次の目標を考慮する必要があるでしょう。課題や目標が達成できていない場合は、「なぜ達成できなかったのか、達成するためにはどうすればよいのか」を検討する必要性が出てきます。
また、聞き方についても「これでいいですよね?」ではなく、「どうしましょうか?」のように開かれた質問を行うことでご本人の意見が聞きやすくなります。
担当者会議は「問題ない」で済ますことのないように、事前に本人の思いや願いをはっきりと聞き取っておくことが大切なのだと確認することができました。
また、児童さんの担当者会議についても意見を聞くことができました。
・本人の年齢ごとの目標設定を想定しておく
・利用計画には書ききれないほどの目標がある
・家族を通しての担当者会議になるため、気を遣う
児童さんの担当者会議では、成長が早く、学年や学校によって段階的に目標を考慮する必要もあるため、利用計画には書ききれないほどになるという意見がありました。また、ご家族を通しての担当者会議となるため、気を遣う面もあります。ご本人の目標や課題に対しての評価はストレートには言えない場面も多々あります。中には議論に夢中になってストレートに出すぎた意見を主催者である相談支援専門員がその言葉を遮って話題を変え、後に言葉を変えてご家族へ伝えることもあるようです。
今回の勉強会では、担当者会議は関係者が一堂に顔を合わせる機会であり、その場で意見を聞くことができるため、主催者である相談支援専門員が事前準備として議題を明確にしておくことが大切であると再確認できました。また、サービスを利用するための担当者会議ではなく、何のためにサービスを使うのか、サービスをどう使うのかを明確にするために行い、そのためには、福祉サービスだけではなく、様々な社会資源についてのリサーチと、利用者のニーズ、意思の綿密な聞き取りが必要になってくるのです。
相談支援事業所 サンクスシェア
松本 浩治