サンクスシェアは、計画相談支援室ノーマさんから半年間に渡って、スーパーバイズ(以下SV)を受けました。今回の記録は、最後の日に昼食をともにしながらの振り返りです。
まずは、事前に質問を送付し、回答をお願いしていたのでした。なんとこき使う…(^-^;
計画相談支援室ノーマ
管理者 寺川 直一 様
相談支援事業所サンクスシェア
田中 聡 松本 浩治 髙倉 満彦
いつも大変お世話になっております。
これまで6カ月もの長きに渡って、私たちサンクスシェアの相談員に対し、数々のご助言・ご示唆をいただきましたことを心より感謝申し上げます。
自社以外の相談員さんの業務に直接触れることがないこの制度の中で、依頼を快諾くださり、そして、相談支援の最前線のレベルに触れさせていただいたことは、大変貴重な体験であり、今後の相談業務の大きな指針となるはずです。できればずっとずっと追っかけしたい気持ちもやまやまですが、今度は、学ばせていただいたことを、私たちとつながりのある他の相談員さんたちと共有することへ向かっていきたいと思います。
つきましては、6ヶ月を終えるにあたり、最後のコンサルティングとして、普段から課題意識している多くの悩みや疑問の中から、いくつかご質問をさせていただき、6月24日(月)の訪問の際、昼食をご一緒しながら、ご回答と併せてご助言いただきますようよろしくお願いいたします。
【田中 聡】
登録者のより充実した生活づくりのための相談業務の充実はもちろんですが、あえてそれ以外のご質問へのご回答をお願いしたく思います。
① 寺川 直一さんが相談業務として大切にしている視点のBest3を教えてください。
② 計画相談支援室ノーマとして大切にしている視点のBest3を教えてください。
③ 相談業務として地域の社会資源を育てていくための配慮点Best3を教えてください。
【松本 浩治】
【髙倉 満彦】
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
24日、寺川さんを始め、スタッフの皆さんにお会いできることを楽しみにしております。
【寺川さんからのご回答】
※ わざわざ回答のための資料準備までいただいたのでした<m(__)m>
半年にわたる計画相談室ノーマのコンサルティングを終えて
サンクスシェア 田中 聡
この日は、昼食時におじゃまし食事をしたあと、事前にお願いしていた質問への回答について少しお時間を取ってお話しいただければ…と思っていたところだったのですが、一つ一つの質問に対し、ほんとうにていねいにていねいにご回答いただいたことに驚きそして改めて尊敬の念を抱いたのでした。
今回の感想の最終的な結論から言ってしまうと、
相談は、やっぱり、人だ! |
と改めて思ったのでした。
もちろん、寺川さんの回答は、相談の専門性から最新の制度、地域の社会資源の最新の情報など多岐にわたった相談支援専門員としての専門性を追究するたくさんの気づきと示唆を与えてくださいました。がしかし、そのような専門性ももちながら、なおかつ、私たちは、「人」としてどうあらねばならないのかなど、いわゆる自分の人生観を改めて問い直す機会とその必要性について、どっかあ~んと突き付けられたひとときとなったのでした。
おそらく私が寺川さんに魅かれているのは、その両輪を大変絶妙なバランスで立ち振る舞っているからだと思います。一方では、おそろしく幅広く新鮮な最新情報(寺川さん流に言えば「情報の鮮度」)をもちながら、よどみない会話術と相談技能の高いスキルがあること。一方では、気さくでざっくばらんで、あごひげをなでながら、おちゃめな目で視線を注ぎながら、必ず笑いを挟んでくる親しみやすい雰囲気を自らが率先して創り出していること。この両立ができている人を、寺川さん以外に私の周りでなかなか探し当てることができません。
回答をいただいている話の中で、この「てらかわ」なる人間は、どのようにしてかたちづくられたのかがとても気になり、「寺川さんを突き動かしている言動力は何か?」と質問してみましたが、今回の質問では、私の中で整理ができないままでした。
今後もお付き合い続けさせていただきながら、「ここを追究したい!」これが、今回のコンサルティングを終えて一番強く印象に残ったことでした。
人は、人から発せられる「ことば」に反応することは当然のことですが、「その人そのもの」に反応することも多々あるのが現実です。研究によれば、人との関係づくりにおいて、バーバル(言語)の占める割合は、ノンバーバル(非言語)を含めた全体の8%くらいしかないとの一説を読んだこともあります。
私たち相談支援専門員が、そのことを十二分に意識しておくことは、何をもっても重要視しておくべきことであることを、寺川さんと出会ってこの半年間で、その思いをさらに強くしたのでした。同じことばを発しても、私が言っても聞かない人が、寺川さんが言えば言うことを受容するのは、ここに違いがあると思うのです。
私たち相談支援専門員は、「人」として磨くことをおろそかにしていては、決して質の高い相談などできるはずもなく、そもそもそこを意識したり目指したりしない人は、相談に携わるべきではないのかもしれません。私たちは、さまざまな困難事例に毎日のように接しますが、「〇〇さんが、△△してくれないんだよね!」なんて言ってる自分は、まだまだ「人」として成長がたりんなあと思うわけなんです!
半年間のコンサルティングは、なかなか同業者の相談現場に同席することが制度上ない中で、ほんとうに気さくにこの大変価値の高い機会を提供してくださった、寺川さん、そして、計画相談支援室ノーマさんに対し、改めて深い深い感謝の気持ちを表しながら、今後も厚かましくお世話になります(^^)
サンクスシェア 松本 浩治
1月から6月にかけて計画相談支援室NOMAさんにてスーパーバイズ(以下SV)を受けさせていただきました。このSVでは多くの学びがあったとともに、出逢いもたくさんあり、大変有意義なものとなりました。
私たち計画相談は、基本的に一人で動いていますので、同業他社さんの動きややり方を見させていただく機会がほとんどありません。計画相談自体がまだ歴史が浅く、それぞれの相談支援専門員は初任者研修や現任研修があるものの、ほぼ独学、個人のやり方で動いている場合が多い職業です。
そんな中、サンクスシェアでは、「質の担保」についてどう扱っていくか、ということになり、比較することが困難、また、計画相談自体、評価を行うことが困難であることから経験の豊富な事業所さんにてSVを受けることで学びを得るとともに、質の向上、担保につながるのではないか、と考えたのです。
NOMAさんは、経験豊富な管理者の寺川さんが運営されており、直接的な面識はそれほどでもなかったのですが、サンクスシェアへのSVを快諾してくださいました。
これまでにブログにて気づきや学びをご報告させていただきましたが、学びの最後にあたり、大切にしたいことは、寺川さんが常々お話しされている「中立・公正」です。
いかなる案件に際しても中立、公正な立場で評価を行うとともに、片方に偏らずに公正な意見を提示することができる、ここが計画相談にとって大切ではないでしょうか。
福祉サービスの選定、利用する事業所についても公正に、アセスメントをもとに最もふさわしい事業所を提案する。また、提案=押しつけにならないよう、最終的には利用者さん自身に意見を聞き、意思決定をしていただく。ここは大切にしたいと強く思います。
最後に、半年にわたる長い期間、SVとして指導いただき、寺川さんをはじめ、NOMAさん、お忙しい中、本当にありがとうございました。
今後も研修会への参加等、顔を合わせる機会も多くなってくると思います。今後ともよろしくお願いいたします。
スパーバイズを終えて
サンクスシェア 髙倉 満彦
6月24日(月)12:30からNOMA寺川さんや川口さん、高比良さん、清水さんと昼食を食べた後、計画相談業務等について質問をさせていただきました。
楽しい雰囲気の中に寺川さんの考えや想いがたくさん詰まった回答をしていただき、今まで(数回のSV参加で残念なのですが・・・)のSVを振り返ることができました。
寺川さんが相談業務として大切にしている視点は?
第一に「中立・公正」であることでした。これは、利用者の方だけではなく、事業所にも同じです。「○○さんには~をしたけど、□□さんにはできない」「決まった事業所を紹介する」といったことがないようにすることです。寺川さんが以前「利用者さんにずっとかかわり続けることはできない。だからこそ、他の相談支援員につなぐことができるように…」と言っていました。このことは、利用者の方を一番に考えているだけではなく、責任をもって相談業務をされているからこそだと思いました。
第二に、利用者の方への「敬意と畏怖」でした。相談支援の業務は、ある意味、利用者の方の人生を左右する部分があります。だからこそ、敬意と畏怖の念を持ち、利用者の方に、そして、業務に対して「謙虚」でなければならないと感じました。
第三に、「人のエンパワーメントをどのように引き出すか?」「アセスメント、モニタリングの重要性」でした。モニタリングでは、前回の資料をあまり見ないようにしているとのことでした。その理由は、前回の内容に引きずられないようにするためだそうです。心の中で確かに!と大きくうなずきました。前回と利用者の方の様子や状況が変わっていない、そのことは知っている(以前に聞いている)と決めつけてモニタリングをするのであれば、モニタリングの意味がありません。前回のモニタリングからどのような変化があるのかをとらえ、支援に活かしていく、そして、目標に向かって取り組まれていることに対して評価し、先の見通しを共有することが重要です。また、「いつも初回のモニタリングの気持ちで行っている」とも言っていました。利用者の方や事業所に慣れることは、よい関係性の構築とも言えますが、ややもすると、「モニタリングのためのモニタリング」になってしまう恐れがあります。新鮮な気持ちでモニタリングを行うことで、新たな気付きや方向性が見えてくると感じました。また、報告書等はその日のうちにすぐに作成されるとのことでした。利用者の方の言葉にある想いを忘れないうちに、新鮮なうちに書面に表現するためだそうです。このことも、「敬意と畏怖」につながると思い、寺川さんの計画相談への一貫した思いや業務のあり方を感じることができました。
私からは、二つ質問をさせていただきました。
担当者会議やモニタリングなどで大切にしていることは?
「楽しく会議をすること」でした。課題ばかりが話題になるのではなく、見通しを持ち、これからの生活や支援のあり方を共有できるようにすることを大切にしているそうです。また、「一緒に考える時間をつくる」ことでした。一方的に方向性を定めるのではなく、みんなで考え、チームとして取り組んでいくことだと考えました。
書類を作成する際に大切にしていることは?
まず、「誤字・脱字がない」ことでした。当然といえば、当然・・・ですが、このことも利用者の方への「敬意と畏怖」であり、自分の書類に責任を持つことだと考えました。また、利用者の方の思いや願いが新鮮なうちに、文書に表現することでした。利用計画や様々な報告書を毎日作成する中で、一つの文書にどれだけ真摯に向き合い、想いをもっているのか?考えさせられるものでした。このように感想の中で書くと簡単に書いてしまう内容ですが、本当に重いことだと感じます。そのためにも、効率的な業務を行うように心がけ、大切にしたい、しなければならないことに時間を使うことができるようにしなければならないと強く思いました。
NOMA.SVで学ばせていただいたことを、これからの業務に活かしていくことが寺川さんへの最大のお礼と感謝をあらわすことになると思います。SVは今回で終わってしまいますが、これからも研修に参加させていただいたり、多くの相談をさせていただいたりと、お世話になると思いますがよろしくお願いいたします。
最後に・・・
弁当注文は髙倉がしたのですが、NOMAの清水さんはお弁当を気に入っていただけたのでしょうか・・・?
注(1) SV:指導者(スーパーバイザー)から教育を受ける過程のことです。 指導者が援助者と規則的に面接行い、継続的な訓練を通じて専門的スキルを向上させることを目的としています。
注(2) エンパワーメント:人が本来持っている内に秘めた力を引き出す、発揮できるように支援や援助を行うことです。